介護保険と医療保険の違い4つ!費用の目安と訪問看護での活用をわかりやすく解説

公開日:2026/01/27

介護保険と医療保険について

高齢者を在宅介護している介護者にとって「介護保険と医療保険のどっちが使えるの?」「費用が高額になったらどうしよう?」という不安は尽きないでしょう。

在宅で利用するサービスになると、適用される保険が複雑に絡み合い、制度の違いがわかりにくいのが現状です。

この記事では、介護保険と医療保険の違い、在宅介護で迷いやすい訪問看護や訪問リハビリの適用ルール、費用負担を抑える公的な上限額制度などを解説します。制度の全体像が見えることで、安心してご家族をケアできるでしょう。

介護保険と医療保険の4つの違い

公的な介護保険と医療保険は、いずれも要介護者を支えるための大切な制度です。しかし、その仕組みや内容は異なります。この制度の違いを理解することが、在宅介護で適切なサービスを選ぶためには必要です。次の表にまとめました。

項目介護保険医療保険
サービスの目的日常生活の介助・支援病気やケガの治療
対象者      第1号被保険者:40歳以上の方
第2号被保険者:40~64歳の方
全国民
費用の支給限度額要介護度に応じた限度額あり原則なし
自己負担の割合原則1割(所得により2〜3割)年齢や所得に応じて1~3割

ここからは、「何のための制度か」「誰が使えるのか」など、根本的なルールを整理して解説します。

サービスの目的

介護保険の目的は、病気の治療ではなく、入浴、排せつ、食事の介助など介護が必要な方の日常生活の介助や自立支援です。

一方、医療保険の目的は、病気やケガの治療や回復です。診察、手術、薬の処方など、命を維持し、身体の機能を回復させるための専門的な医療行為に対して給付をおこないます。

また、両保険が関わるサービスもありますが、目的によって厳密に分けられています。例えば、訪問看護が提供する「病状の観察」や「服薬管理」は医療的サービスです。訪問介護が提供する「掃除」「調理」は生活支援です。

両者は似ているようで、サービスの目的と提供できる職種が異なります。「病気を治す」と「生活を支える」という考え方の違いが、費用の上限やサービスの優先順位といったルールに影響しています。

サービスを受けられる人

医療保険は、日本に住むすべての方が年齢を問わずに加入でき、給付の対象となります。保険は、次の3つの枠組みになっています。

  • 「被用者保険(会社員向け)」
  • 「国民健康保険(自営業者・無職者向け)」
  • 「後期高齢者医療制度(75歳以上向け)」

さらに、介護サービスを利用するには「要介護(要支援)認定」を受ける必要があります。

65歳以上の方は、要介護認定を受ければ原因を問わずサービスを利用できます。これは、加齢による衰弱・骨折・特定の病気など、介護が必要になった理由が何であっても利用資格があるという意味です。

しかし、40歳から64歳の方(第2号被保険者)は、老化に起因する次のような16種類の特定疾病が原因で要介護認定を受けた場合に限って利用可能となります。

16種類の特定疾病
1.がん(末期)9.脊柱管狭窄症
2.関節リウマチ10.早老症
3.筋萎縮性側索硬化症(ALS)11.多系統萎縮症
4.後縦靱帯骨化症12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
5.骨折を伴う骨粗鬆症13.脳血管疾患
6.初老期における認知症14.閉塞性動脈硬化症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病関連疾患15.慢性閉塞性肺疾患
8.脊髄小脳変性症16.両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

参考:厚生労働省/特定疾病の選定基準の考え方

交通事故や転倒によるケガなどが原因で介護が必要になった場合は、特定疾病に該当しないため、介護保険の対象外となります。

費用の支給限度額

医療保険と介護保険は、費用構造の仕組みが異なります。医療保険は、命の維持を最優先するため、原則として治療費の総額に月ごとの上限は設定されません。しかし、自己負担額が高額になった場合には、高額療養費制度によって負担の上限が設けられます。

これに対して、介護保険はサービスの総額に上限があります。在宅サービスには、要介護度に応じて、月々に使える「支給限度額」というサービスの上限額が設定されています。

主な要介護度ごとの支給限度額の目安は、以下の通りです。この上限額は、サービス利用の総負担を指します。自己負担分もこの限度額の内側におさめる必要があるため、ケアプラン作成時の予算管理が重要です。。

要介護度支給限度額の目安
要支援15万320円
要支援210万5,310円
要介護116万7,650円
要介護219万7,050円
要介護327万480円
要介護430万9,380円
要介護536万2,170円

参考:厚生労働省/令和6年度介護報酬改定について

※数値は2024年時点の標準基準に基づきます。地域によって単位あたりの金額(単価)が異なるため、お住まいの地域では金額が異なる場合があります。

この上限額を超えてサービスを利用した場合、超過した分の費用は全額自己負担となるため注意が必要です。なお、福祉用具の購入や住宅改修などは、月々の支給限度額とは別枠で利用が可能であり、ケアプランの作成費用や医師による居宅療養管理指導なども限度額には含まれません。

この全額自己負担となるケースについては、「介護保険と医療保険に関するよくある質問」で詳しく解説します。

自己負担の割合

窓口で支払う自己負担の割合は、介護保険も医療保険も原則1割~3割です。介護保険は、利用者の所得が高い人ほど負担の割合が増える「応能負担(おうのうふたん)」を反映しています。

この応能負担の仕組みは、制度創設当初の一律1割負担から、財政の持続性と公平性を図るために段階的に導入されました。所得や年金収入などの経済状況によって、1割~3割のいずれかの負担割合が決まります。この介護保険の負担割合は毎年見直しがおこなわれており、新しい負担割合は毎年8月1日を基準として1年間の適用です。

例えば、要介護3の方(支給限度額:27万480円)が限度額いっぱいまでサービスを利用した場合、自己負担額は以下の通りになります。

  • 1割負担の場合:約2万7,048円
  • 2割負担の場合:約5万4,096円

この負担額の差は月々約2万7,000円にもなり、年間で32万円以上の差(2万7,000円の12ヶ月分)となります。

単身世帯で2割負担になるのは、本人の合計所得金額が160万円以上、かつ年金収入などが280万円以上の両方を満たす場合です。また、夫婦世帯で2割負担になるのは、第1号被保険者2人の合計所得金額が160万円以上、かつ合計が346万円以上の場合です。

「自分がどのくらいの負担であるのか」については、お住まいの自治体から交付される最新の「介護保険負担割合証」で確認しましょう。

介護保険?医療保険どっち?訪問看護と訪問リハビリテーションの使い分け

在宅で受ける「訪問看護」や「訪問リハビリテーション」は、「治療」と「生活支援」の両方の要素を持つため、どちらの保険が適用されるのか迷いやすいサービスです。

要介護認定されている場合、基本的に介護保険が優先されます。ただし、利用者の病状によっては医療保険が適用される場合もあります。

 【訪問看護】基本は介護保険で、医療保険優先の条件あり

40歳以上で要介護認定を受けている方が訪問看護を利用する場合、原則として介護保険が優先されます。しかし、病状が重篤で医療が必要な場合は、医療保険が優先的に適用される場合もあります。

医療保険が優先されると、介護保険の月々の限度額に関係なくなるため、費用負担を抑えて訪問看護を利用できる回数を増やすことが可能です。医療保険の適用を受けるためには、主治医による「特別訪問看護指示書」の発行が必要です。

また、以下の表に示す「厚生労働大臣が定める特定の疾病等(別表第7)」に該当する場合も、医療保険が優先されます。

厚生労働大臣が定める特定の疾病等(別表第7)
1.末期の悪性腫瘍(末期がん)11.副腎白質ジストロフィー
2.多発性硬化症12.脊髄性筋萎縮症
3.重症筋無力症13.進行性筋ジストロフィー症
4.スモン14.後天性免疫不全症候群(エイズ)※
5.筋萎縮性側索硬化症(ALS)15.頸髄損傷
6.脊髄小脳変性症16.人工呼吸器を使用している状態
7.ハンチントン病17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
8.プリオン病18.在宅麻薬等注射指導管理を受けている状態
9.パーキンソン病関連疾患19.在宅腫瘍化学療法注射指導管理を受けている状態
10.多系統萎縮症20.在宅強心剤持続投与指導管理を受けている状態
※エイズは感染症法に定める方に限る

主治医の医学的判断と指示書の発行をもとに、訪問看護ステーションやケアマネージャーが制度上の適用を整理します。そのため、自己判断せず該当の可能性がある場合は、早めに主治医へ相談することをおすすめします。

【訪問リハビリテーション】基本は介護保険で、医療保険は上限日数あり

訪問リハビリテーションも、要介護認定があれば生活機能の維持・向上を目的に、介護保険が適用されます。この介護保険を優先する原則は、「通院が困難な利用者」という要件と共に、リハビリテーションの目的を治療ではなく「生活支援」に置くという意図を反映しています。

医療保険のリハビリテーションは、急性期や回復期においては治療が目的であるため、利用できる期間にはっきりとした制限が設けられています。利用できる日数には「150日ルール」といった上限が設定されています。この日数は疾患ごとに異なり、例えば、脳血管疾患は原則発症・診断日から180日間、骨折などの運動器リハビリは150日間という上限です。

この期間内は治療としてリハビリテーションが提供されますが、期間が終了すると、以降は「機能維持」を目的とする介護保険に切り替わります。

これは、リハビリテーションの目的が治すことから支えることに変わるという、制度の線引きを示しているのです。

訪問リハビリテーションには、病院や介護老人保健施設が行うものと、訪問看護ステーションが行うものの2種類があります。提供する事業所は異なりますが、どちらの場合も、介護保険と医療保険の優先順位や利用できる日数のルールは基本的に同じです。

ただし、医師の診察で、利用者の状態の改善が期待できると判断される場合には、例外的に評価をおこない、引き続き医療保険のリハビリテーションを継続できる仕組みもあります。

介護保険と医療保険の優先順位とは

公的な保険制度では、介護サービスと医療サービス、どちらの保険を先に使うかルールが存在します。この優先順位を正しく理解していないと、本来使えるはずのサービスが利用できなかったり、不要な自己負担が発生したりすることがあります。制度の仕組みを知ることは、在宅介護での失敗を防ぐ重要なポイントです。

介護保険が優先される

要介護認定があり、介護保険で提供できるサービスは、原則として介護保険が優先的に使われます。これを「介護優先原則」と呼びます。

この原則は、公的な保険制度の財源を効率的かつ公平に利用するためです。介護保険の目的に沿った「自立支援サービス」の優先が、制度の基本的な考え方になっています。

そのため、要介護認定を受けている方が在宅サービスを利用する場合は、まず介護保険で対応できるかを確認します。医療的な処置が必要かどうかは、主治医やケアマネージャーと相談しながら判断することが大切です。

例外として医療保険が適用されるケースも

医療保険は、治療が目的であるため、病院や診療所での診察・検査・手術などの治療行為は、医療保険の適用です。

また、急な病気の治療や、末期がんといった特定の病気による高度な処置が必要な場合は、在宅サービスであっても医療保険が優先されます。具体的な在宅での医療保険優先のケースには、次のようなものがあります。

医療保険が優先される在宅ケア適用される条件
点滴注射       急性増悪といった病状の急変に伴い、点滴注射が必要になった場合は、特別訪問看護指示書の発行により医療保険が適用される
重度の床ずれ処置傷の深さが「真皮を越える」重度の褥瘡(ステージIII以上)の処置は、外科的・専門的な治療と見なされ、医療保険が優先される
人工呼吸器などの
医療機器管理
人工呼吸器を使用している状態は優先適用となるケースが多いが、胃ろう(経管栄養)の管理は、直ちに医療保険優先とはならず、日常のケアは介護保険の訪問看護が原則となる

ただし、これらのケアが医療保険で優先的に適用されるためには「急性増悪」や「医師の特別指示」が伴う必要があります。これらのサービスが医療保険の適用となった場合、介護保険の限度額とは関係なく、必要な医療ケアを優先的に受けられます。

介護保険と医療保険は併用できる?

介護保険と医療保険は、原則として同じサービスに同時に使うことはできません。ただし、サービスの目的や内容、利用する時期がはっきりと分かれている場合には、例外的に併用が認められることもあります。ここでは、その基本ルールと注意点を解説します。

基本的には併用できない

介護保険と医療保険は、同じ内容のサービスに同時に使うことは原則できません。

これは、公的なお金が二重に支払われる「二重給付」を防ぐためです。そのため、同じ病気や同じケア内容について、一つの事業所が介護保険と医療保険の両方を同時に適用することは認められていません。

利用者は、制度のルールに従い、どちらか一方の保険を選んでサービスを受ける必要があります。どの保険が適用されるかは、サービスの目的や医師の判断によって決まるため、自己判断せず専門家に相談することが大切です。

例外的に併用できる条件とは

サービスの目的や給付の時期が明確に分かれている場合は、例外的に併用が認められます。同じ時期に両方の保険サービスを同時に利用できる、主な例外ケースは次の3つです。

併用が認められる条件具体的なケース
サービスの目的が明確に異なる場合別の事業所が、介護保険の訪問介護と、医療保険の訪問看護を同時に提供する場合
疾患が異なる場合           要介護状態の原因とは別の、急な病気やケガの治療で医療機関を受診する場合
給付時期が異なる場合月の途中で医療保険の訪問看護から介護保険の訪問看護へ、給付の時期が明確に区別できる場合

これらの条件を満たせば、同じ利用者であっても、公的制度のルールとして医療保険と介護保険のサービスを利用できる可能性があります。

介護費と医療費が高額になったときの払い戻し制度

在宅介護では、医療費と介護費の負担が重なり、支払いが高額になりがちです。家計の負担を減らすための3つの払い戻し制度が存在するため、それぞれの内容を把握しておきましょう。

医療費の月額上限を決める「高額療養費制度」

高額療養費制度は、1カ月間に支払った医療費の自己負担額が、所得区分に応じて定められた上限額を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される仕組みです。

この制度により、医療費が高額になっても、家計に過度な負担がかかることを防げます。例えば、70歳以上の住民税非課税世帯の場合、医療費の上限額は月額3万5,400円といったように設定されています。

ただし、高額療養費制度は自動的に適用されるわけではなく、原則として申請が必要です。入院期間が長くなったり、手術を受けたりすることが分かっている場合は、事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払いを上限額までに抑えられます。

医療費と介護費を合算して上限を決める制度

高額医療合算介護サービス費制度は、医療と介護の両方のサービスを使っている世帯が対象です。毎年8月1日から翌年7月31日の1年間に支払った医療費と介護費の自己負担額を合算し、年間限度額を超えた分を払い戻します。

この制度は、世帯の負担が重くなりすぎないことを目的としており、特に、世帯内で複数人がサービスを受けている場合や、毎月の負担は上限に達しないものの、長期間にわたり介護と医療の費用を支払っている世帯に効果があります。

年間上限額は、世帯の所得に応じて設定されています。所得が低い世帯ほど、年間上限額も低く設定され、手厚い保護が受けられます。正確な限度額は、お住まいの自治体にご確認ください。

制度を利用するときの注意点

公的な介護保険や医療保険のルールは、法改正に応じて内容が見直されているため、一度制度を理解しても、ルールが後から変わる可能性があるという点に注意しましょう。

特に、所得額別の自己負担の割合やサービスの限度額などは、法改正により定期的に変わる可能性があります。利用開始時だけでなく、最新の「介護保険負担割合証」や自治体の情報を確認し続けることが必要です。。

また「負担限度額変更時の適用は、原則翌月の初日から開始」といった、行政手続きの細かいルールもあります。 制度の変更を見落とすと、意図せず費用が増えてしまうリスクもあるため、行政からの通知は確認したり、ケアマネージャーに相談したりするようにしてください。

介護保険と医療保険の2026年の展望

政府は、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」、そして「2040年問題」を見据えた制度再構築の初年度として、2026年には医療と介護の連携をさらに強化する方向で制度の見直しを進めており、両制度の連携の強化で、在宅介護がよりスムーズになることが期待されます。

医療分野の「診療報酬改定」と、介護報酬の臨時改定が同時期に実施される予定です。この介護報酬の改定は、本来の3年周期を待たずにおこなわれるのは異例であり、早急な対策が必要な課題に対応することが目的です。

この異例の改定の背景は、介護職員の深刻な人手不足と、社会全体の物価高騰などがあります。特に、他の産業で賃上げが進む中で、介護職員の給与水準が相対的に低くなることを防ぎ、制度を支える人材の流出を食い止めためいとする方針もあるようです。

2026年の改定では、以下の2点が重要視されています。

改定の方向性      具体的な取り組み
サービスの質の向上と連携強化 在宅での生活の質を維持するため、リハビリ・栄養管理・口腔管理の3つの要素をまとめた取り組みや、多職種間での情報共有のデジタル化が推進される
介護人材の処遇改善 深刻な人手不足に対応するため、介護職員の給与引き上げを目的とした臨時改定がおこなわれ、訪問看護やケアマネージャーなど、地域を支える専門職への支援も拡大する方針

しかし、新たなルールやサービスの使い分けについても変更が生じる可能性があるため、引き続き政府の政策に注目しましょう。

介護保険と医療保険に関するよくある質問

これまでに解説したルールのほかに、在宅での介護者が抱きやすい具体的な疑問や、制度利用の際に注意すべき点があります。ここでは、実際の利用場面で迷いやすい点を中心に、よくある質問形式で整理します。

介護保険と医療保険、利用で迷ったときの相談窓口はどこ?

どちらの保険が適用されるかといったサービス利用全般で迷ったときに相談すべき窓口は2つあります。自己判断することで間違った解釈をする恐れがあるため、専門家に意見を求めましょう。

相談窓口 主な役割とメリット
担当のケアマネジャー       ・介護と医療の両方のルールに精通している
・主治医とも連携し、サービス利用に関する中心的なアドバイスやケアプランの調整をする
地域包括支援センター・地域の高齢者の総合的な相談窓口となる
・保健師や社会福祉士などの専門家が配置されており、制度の仕組みや公平な支援について相談に対応する

これらの専門窓口を活用すると、複雑な保険の適用ルールについて適切な情報を得られます。早めに相談することで、給付対象外となる利用や自己負担の増加を防げます。不安や疑問がある段階で、遠慮せずに相談することが大切です。

介護保険と医療保険、10割負担が必要なのはどんなとき?

公的な介護保険・医療保険の適用範囲や限度額を超えた分については、原則として10割自己負担でのサービスの利用が可能です。

ただし、サービスを提供している事業所が自己負担での提供に対応している必要があります。全額自己負担となる主なケースは以下の通りです。

10割負担となるケース       具体的な状況と注意点
介護保険の月々の枠を超過したとき要介護度に応じて設定された月々の上限額を超えて在宅サービスを利用した場合、超過した分の費用は全額自己負担となる
公的保険の頻度制限を超えるとき医療保険による訪問看護は、特別な医療指示がない限り原則週3日以内の利用とされる。この頻度制限を超える分は、自己負担での利用が必要となる場合がある
公的保険の対象外サービスを利用したとき   付き添いや高度な家事代行など、公的保険が定める範囲外サービスを依頼する場合も、自己負担での契約が必要となる

10割負担はサービスの自由度が高い一方、費用が想定以上に膨らむリスクがあります。利用前に見積もりを取り、保険適用との違いを確認してから判断することをおすすめします。

介護保険と医療保険の制度を理解して、安心してサービスを活用しよう

在宅介護を支える介護保険と医療保険の違いは複雑ですが、これらのルールと費用を軽減する方法を知っていれば、家計への負担を抑えながら、大切なご家族により良い介護と医療を提供できます。

どの保険が適用されるか判断に迷った際は、地域包括支援センターまたは担当のケアマネージャー、市区町村の担当者に相談してください。専門家の力を借りて、これらの制度を最大限に活用して、在宅介護を進めましょう。

※記事内容は、記事作成時点の情報に基づいています。最新の情報や正確な詳細は、必ず省庁や自治体、または公式ウェブサイトでご確認ください。

プロフィール
西川正太(看護師/保健師)
大学卒業後、集中治療室や心臓血管病棟などで看護師として14年間勤務。主に、急性期の看護ケアに携わる。現在は、3人の子育てをしながら、医療や介護、看護に関わる記事の執筆や監修を行っている。
 

Contents

【看護師による在宅介護コラム】

▶vol.01 要介護認定から始める在宅介護の基礎知識~要介護認定の基準や申請方法・在宅介護について~

▶vol.02 【認知症介護】在宅介護のポイント!限界と感じやすい3つの理由も解説

▶vol.03 移乗介助―移乗介助の方法・ポイント・注意点などについて

▶vol.04 介護のおむつ交換の手順!9つの注意点や負担を軽減する方法を解説

▶vol.05 在宅介護でよくある5つの悩みとは?介護疲れの対処法と事例を紹介

▶vol.06 高齢者が眠れない原因とは?在宅介護でモーニングケアが大切な理由と基本手順

▶vol.07 要介護者に口腔ケアをする6つの目的!口腔ケアに必要な用品と手順も詳しく解説

▶vol.08 在宅で注意すべき高齢者の転倒とは?5つの原因と対策をご紹介

vol.09 高齢者の脱水症状を防ごう!脱水症状を起こす5つの原因と予防法

▶vol.10 高齢者の寝たきり介護の基本と実践ケアのコツ

▶vol.11 【2025年版】在宅介護をする上での高齢者の防災対策|災害時に直面する課題と今すぐできる備え

▶vol.12 高齢者にスキンケアが必要な3つの理由!肌の特徴とトラブルを防ぐケア方法

▶vol.13 在宅介護における高齢者のむくみ対策!症状別の原因とケア方法を解説

▶vol.14 在宅でできる高齢者向けのレクリエーション全17選!目的と簡単にできるゲームも紹介

▶vol.15 介護保険と医療保険の違い4つ!費用の目安と訪問看護での活用をわかりやすく解説

【介護コラム】

▶vol.01  初めての在宅介護 基礎知識~在宅介護を始める前に~

▶vol.02  介護と介助の違いとは?介助の種類や方法、失敗しないポイント

▶vol.03  介護用品の選び方|在宅介護に必要なものと選び方のポイント

▶ⅴol.04  入浴介助の手順と注意点、必要な介護用品、入浴介助の方法などについて

▶vol.05  車椅子の選び方・使い方、車椅子の介助方法などについて

▶vol.06  清拭(せいしき)の手順について|全身清拭・部分清拭の注意点とポイント

▶vol.07  在宅介護で看取りをするために必要なこと、準備や心のケアなどについて

▶vol.08  食事介助の手順と注意点とポイントについて

▶vol.09  排泄介助(トイレ介助)の手順と注意点とポイントについて

 

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