在宅介護で看取りをするために必要なこと、準備や心のケアなどについて

公開日:2023/12/12

在宅介護で看取り

人生の最期をどう過ごすかは、要介護者本人の意思を尊重する必要があります。

しかし、病院で最期を迎える方が多い中、在宅介護で看取りに対応できるのか、どのように準備していけばよいのかなど、不安や疑問を持つ方も少なくありません。

在宅介護で看取りまで行うためには、看取りに対応できる医師や訪問看護師、ケアマネージャーなどの専門家との連携や心のケアが重要です。

今回は在宅介護で看取りまで行うための準備と心のケアについてご紹介いたします。

在宅で看取りまでを希望されるご家族へ

 

大切な人の最期を自宅で迎えたいという想いは、とても素晴らしいものです。

要介護者本人にとっても、家族にとっても、心に残るかけがえのない時間になります。

 

しかし、在宅で看取りまで介護することは、簡単なことではありません。

要介護者の症状や要望に応えるためには、医療や介護の専門家と連携したり、自宅の環境を整えたりする必要があります。

 

また、家族は24時間365日休みなく介護に追われる生活になる場合もあります。

身体的にも精神的にも、大きな負担になることは避けられません。

 

そのような場合には、無理をせずに自分の気持ちや悩みを誰かに話してください。

ケアマネージャーや訪問看護師、医師など、あなたを支えてくれる人はたくさんいます。

 

在宅介護で看取りをするまでの流れ

在宅介護で看取りをするまでの は、以下の通りです。

  1. 要介護者と家族で意思確認をする
  2. 地域包括支援センターに相談する
  3. ケアマネージャーや医師・訪問看護師を探す
  4. 自身と家族、専門家を交えたチームを作る
  5. 介護用品を準備する
  6. 必要に応じて介護リフォームをする
  7. チームで連携して介護を進める
  8. 自宅で最期を迎える

 

まずは、要介護者と介助者である家族で話し合い、自宅で最期を迎えることを決定する必要があります。

どこでどのように最期を迎えたいのかは人によって異なります。

要介護者自身の意思をしっかりと確認しておきましょう。

 

自宅で最期を迎えたいと要介護者と家族が希望する場合、在宅介護で看取りまで行うための準備を開始します。

 

介護に直面した際、最初の相談先は地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは、保健師やケアマネージャー、社会福祉士などが配置された総合相談窓口であり、市町村などが設置しています。

 

地域包括支援センターに相談すると、状況に応じて介護保険制度や適切なサービスの利用などの提案を受けられます。

相談する際は、在宅介護で看取りまで対応したいという要介護者と家族の意思を、早期の段階から保健師やケアマネージャーにしっかり伝えましょう。

 

在宅介護で看取りまで対応する場合は、ケアマネージャーや医師、訪問看護師との連携が欠かせません。

地域包括支援センターに相談しながら、在宅に対応したケアマネージャー、医師、訪問看護師を探します。

 

ケアマネージャーや医師、訪問看護師を探したら、家族を含めて看取りチームを編成し、状況を共有したうえで方針を決定します。

方針が決まったら、必要な介護用品の準備やリフォームに進み、チームで連携しながら介護を進める流れです。

 

専門家を含めた在宅介護のチームを作り、看取りまで要介護者を介護していきます。

 

介護度に応じた介護内容と必要な準備

在宅介護といっても、どの程度の介護を必要とするかを示す「介護度」に応じて、必要な介護の内容や介護用品は異なります。

 

要介護2の場合

まずは、比較的軽度といわれる要介護2について紹介します。

 

要介護2とは

要介護2とは、介護にかかる手間を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間 」が、50分以上70分未満であるか、これに相当すると認められる状態です。

要介護2は、食事や排泄など日常生活動作に部分的な介護が必要となり、介護に時間がかかると感じ始める時期です。

 

要介護2|介護内容

要介護2は、一般的に歩行や爪切り、薬の服薬、金銭の管理、簡単な調理が難しくなるといわれています。

そのため、立ち上がるときや歩くときに支えが必要だったり、爪を切るときや薬をのむとき、料理をするときに見守りやサポートをするといった介護内容になることが多いです。

 

このように、要介護2の場合、基本的には要介護者を見守り、必要に応じて手助けをするのが介護の内容となります。

また、金銭の管理が難しくなることもあるため、まとまった金額を持ち歩かせないなどの対策も必要です。

 

要介護2|必要な介護用品

要介護2で必要な介護用品は、個人差はありますが以下のようなものです。

  • 高齢者向けの箸、スプーン、フォーク
  • エプロン
  • テーブル
  • ストロー付きコップ
  • 滑り止めマット
  • 入浴用チェア

食べ物を箸やスプーン、フォークでうまく食べられなくなったときには、高齢者向けのものに変更するとよいでしょう。

そのほかにも便利な介護用品がありますので、必要に応じて探してみましょう。

なお、要介護2では、在宅介護ですぐに用意したくなる車いすや歩行器、ポータブルトイレ、おむつなどは、まだ必要とならないケースが多いです。

 

要介護2|よくあるお悩み

要介護2の場合、介助者である家族によくある悩みは以下の通りです。

  • 要介護者が自分の能力を過信して無理をしてしまうことがあるので心配
  • 要介護者が自分の状態を受け入れられず、落ち込んだり怒ったりすることがあるので接し方について悩む
  • 適切な介助方法や声かけを見つけるのに苦労することがある
  • 要介護者に負担をかけないように、介助者自身の気持ちや悩みを抑え込んでしまうことがある

このような悩みは、1人で抱え込まず、保健師やケアマネージャーに相談しましょう。

話を聴き、適切な対処について一緒に考えてくれるはずです。

 

要介護3の場合

続いて、中等度として位置づけられている要介護3について紹介します。

 

要介護3とは

要介護3とは、介護にかかる手間を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間 」が、70分以上90分未満であるか、これに相当すると認められる状態です。

要介護2からさらに身体能力が低下し、ほとんど全面的な介護が必要となる状態です。

 

要介護3|介護内容

要介護3になると、食事、排泄、口腔ケア、入浴、着替えが困難になるといわれています。

着替えや食事のサポートのほか、トイレや口腔ケアについてはタイミングを見て声かけをして介助したり、入浴時には身体を洗ったりなどの介護内容です。

食事、トイレ、入浴などの清潔ケアにおいて、常に介助を必要とします。

 

認知症の場合は徘徊や妄想などが生じることもありますので、否定せず、要介護者の気持ちを聴きましょう。

特に徘徊がある場合は、近所への声かけをするなどの対応も求められます。

 

このように、要介護2では見守ってサポートするのが主な介護内容でしたが、要介護3では全面的な介護が必要です。

 

要介護3|必要な介護用品

要介護3で必要な介護用品も、個人差はありますが、要介護2で紹介した用品に加えて、以下の通りです。

  • 介助者用のスプーン
  • とろみ剤
  • 歩行器
  • 介護用ベッド
  • 車いす
  • ポータブルトイレ
  • おむつ
  • おむつカバー
  • 消臭剤
  • からだふき(清拭料)
  • 着脱しやすい服
  • 防水シーツ
  • 口腔ケア用品

要介護3になると、介助者が要介護者の口まで食事を運ぶこともあるため、高齢者向けのスプーンではなく、介助者向けのスプーンの利用も検討しましょう。

また、とろみ剤を使えば、食べ物をうまく飲み込めなくなったときに、とろみをつけて飲み込みやすくできます。

 

なお、口腔ケア用品には歯ブラシや舌ブラシはもちろん、保湿ミストや保湿ジェル、歯みがきティシュ、スポンジブラシなどの種類があります。

 

要介護3|よくあるお悩み

要介護3の場合、介助者である家族によくある悩みは以下の通りです。

  • 常に介護にあたらなければならず、体力的・精神的な負担が大きい
  • 仕事や家事、介護との両立が難しい
  • 自分の時間がとれない
  • 徘徊など認知症による問題行動に対処できない

このくらいの時期から介助者の体力的・精神的負担が増えていきます。

家族内で今一度、在宅介護への対応の仕方などについて話し合う必要がでてくる時期です。

 

要介護4の場合

続いて、重度として位置づけられている要介護4について紹介します。

 

要介護4とは

要介護4とは、介護にかかる手間を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間 」が、90分以上110分未満であるか、これに相当すると認められる状態です。

要介護3よりさらに身体能力が低下し、介護なしでは日常生活が困難となる状態です。

 

要介護4|介護内容

要介護4になると、座り続けたり、立っていたりするのが難しくなり、どこかに移動することも困難になります。

そのため、要介護3までの介護内容に加えて、ベッドや車いすからの立ち上がりや移動などが加わります。

さらにおむつ交換も介護の内容に加わることが多く、24時間体制での介護が必要となるため、介助者の負担は大きいです。

 

また、意思疎通がスムーズにいかないことも少なくありません。

 

要介護3まではなんとか在宅介護を続けられても、要介護4になると家族1人だけで介護を続けるのに、限界を感じるケースが増える時期です。

1人だけで無理に介護しようとせず、ほかの家族と協力して介護にあたることが重要といえます。

 

要介護4|必要な介護用品

要介護4で必要な介護用品も個人差はありますが、要介護3で紹介した介護用品に加えて、おおむね以下の通りです。

  • 介護浴槽
  • 移動用リフト

要介護者の状態や自宅の構造などにより、必要な介護用品を吟味する必要があります。

必要に応じて、リフォームを検討する場合もあります。

また、入浴に関しては介護サービスで訪問入浴をお願いできることもあります。

ケアマネージャーに相談してみましょう。

 

要介護4|よくあるお悩み

要介護4の場合、介助者である家族によくある悩みは以下の通りです。

  • このまま在宅で対応できるか不安
  • 意思疎通ができない
  • このまま寝たきりになると思うと怖い
  • 介護費用について不安

この先、在宅で介護していけるのかと改めて不安になる時期です。

看取りまで行う場合は、改めて家族内で話し合いをして、最適な在宅介護のかたちを作ってきましょう。

 

寝たきりになった場合の介護について不安な場合は、専門家であるケアマネージャーや保健師、訪問看護師に相談してみましょう。

豊富な在宅介護の経験から、具体的な助言をしてもらえます。

 

要介護5の場合

続いて、最重度として位置づけられる要介護5について紹介します。

 

要介護5とは

要介護5とは、介護にかかる手間を時間に換算して評価した「要介護認定等基準時間 」が、110分以上であるか、これに相当すると認められる状態です。

要介護4からさらに身体能力や認知機能が低下し、介護なしでは日常生活がほぼ不可能な状態です。

 

要介護5|介護内容

要介護5になると、手足が麻痺し意思疎通ができないといったケースも少なくなく、寝返りも含め日常生活のほとんどすべてに介助が必要です。

 

寝返りができない状態では、数時間おきに体位交換をしなければなりません。

介護負担が大きいため、家族だけで介護するのに限界を感じるケースが増えてきます。

 

また胃ろうなどの経管栄養、酸素療法などの医療ケアが必要となる場合もあります。

自力で寝返りができないため、床ずれができやすくなり、その処置が必要となる場合もあるのです。

 

ケアマネージャーと相談し、訪問介護や訪問看護などを利用して介護体制の強化を図る必要がある時期です。

 

要介護5|必要な介護用品

要介護5で必要な介護用品は、新たに追加するものは特になく、今まで揃えてきたもので対応できます。

 

要介護5|よくあるお悩み

要介護5の場合、介助者である家族によくある悩みは以下の通りです。

  • 身体的にも精神的にも疲弊してしまった
  • 医療的な対処が必要になったらどうすればよいか不安

介助者の負担が増え、疲れがでてくる時期です。

在宅介護のやり方を見直し、必要に応じて訪問看護や訪問介護を利用して介助者自身が休める時間を確保しましょう。

 

看取りに必要な医療体制について不安になる時期でもあります。

医師や訪問看護師、ケアマネージャーと相談して看取りチームを編成しましょう。

 

在宅介護で看取りをするために必要なこと

 

在宅介護で看取りまで対応するためには、以下のような準備が欠かせません。

  • 要介護者と介助者ともに自宅で最期を迎えたいという意思
  • 医師やケアマネージャー、訪問看護師などと協力体制
  • 24時間対応できる介護力の確保
  • 介護や医療に必要な費用の準備

それぞれ詳細を紹介します。

 

要介護者と介助者ともに自宅で最期を迎えたいという意思

在宅介護で看取りをするために前提となるのは、要介護者と介助者ともに、自宅で最期を迎えたいという意思があることです。

 

要介護者にその意思がないのに、家族だけで決めるのは避けなければなりません。

要介護者に自宅で最期を迎えたいという意思があるなら、家族は本人の意思を可能な限り尊重する必要があります。

 

なお、要介護者と意思疎通ができなくなる前に、口頭ではなく書面で意思を確認しておくことが重要です。

 

医師やケアマネージャー、訪問看護師などと協力体制作り

自宅で看取るためには、医師やケアマネージャー、訪問看護師などの専門職と チームを編成し、協力体制を 必要があります。

 

医師と訪問看護師は医療、ケアマネージャーは介護が専門です。

また、ケアマネージャーは介護と医療をつなぐ存在です。

 

24時間対応できる介護力の確保

在宅介護では、24時間365日、いつでも対応できる介護力の確保が望まれます。

そのため、要介護者を家族1人だけで支えることは難しいものです。

 

1人で対応することを前提とせず、家族はもちろん、訪問看護や訪問介護などを活用して負担を軽くしましょう。

 

介護や医療に必要な費用の準備

一般的に介護施設や病院と比べて費用は抑えられますが、在宅介護でも費用負担が発生します。

介護だけでなく、医療に関する費用も負担することが多いため、必要な費用をあらかじめ準備しておかなければなりません。

 

在宅介護でかかる費用には、介護用品やリフォームの費用、医療機器などの費用があります。

どのくらい費用がかかるのか、いつまでに準備しておかなければならないのかなど、医師や訪問看護師、ケアマネージャーなどと相談しながら費用を確保するようにしてください。

 

なお、 医療費と介護費の負担が大きい場合は、資料損に申請すると自己負担した費用の一部が返ってくる場合もあります。

詳しくは、市区町村の役所でお問い合わせください。

 

在宅介護で看取りまで介護をするための準備

在宅介護で看取りまで介護をするための準備について、順に紹介します。

 

要介護者と介護者ともに自宅で最期を迎えたいか確認する

まず、要介護者と介助者ともに、自宅で最期を迎えたいか確認します。

もし要介護者の意思を確認できない場合は、 リビング・ウィルや医療判断代理委任状、エンディングノートなどの書類が残されていないか確認してください。

 

リビング・ウィル:

余命が残りわずかとなった場合に、その後の医療はどうしたいかの意思を表示する書類。

要介護者本人が、人工呼吸器によって酸素を送り、胃ろうによって栄養を摂取させるような延命措置を希望しない場合に残されていることがあります。

 

医療判断代理委任状:

自身が医療判断の意思表示ができなくなったときに、医療判断を誰かに任せるために残される文書。

 

エンディングノート:

自分の人生史や家族に対する想い、感謝、葬儀の希望など終活に関する内容を残しておく書類。

 

いずれも要介護者の意思を確認するための手がかりとなるため、見落としてしまわないように探しておく必要があります。

 

医師やケアマネージャー、訪問看護師と連携する

在宅介護で看取りまで対応するには、医師やケアマネージャー、訪問看護師と看取りチームを作り、連携することが重要です。

看取りチームそれぞれの大まかな役割は、以下の通りです。

  • 医師:診察や処方箋の発行、死亡診断書の作成などを行う
  • 訪問看護師:医師の指示にもとづいて、医療処置や日常生活のケアを行うほか、要介護者や家族の精神的なサポート、情報提供を行う
  • ケアマネージャー:要介護者のケアプランを作成し、訪問看護師や訪問介護員などとサービスの利用や調整を行う

なお、在宅に対応した医師や訪問看護師は、ケアマネージャーから紹介してもらえることがあります。

介護中も、困ったことやケアの方法で気になることがある場合は、気軽に訪問看護師やケアマネージャーに相談してください。

 

家族だけで抱え込まず介護サービスも活用する

家族1人で看取りまで介護を続けることは困難ですが、家族数人で介護にあたるのも容易ではありません。

 

介護は、少なからず精神的・身体的負担を伴うものです。

家族だけで抱えてしまわずに、必要に応じて介護サービスの利用も検討してください。

在宅で受けられる介護サービスは、訪問看護や訪問介護が代表的です。

 

当初決めていたケアプランは変更できますので、家族で抱え込んでしまわないよう、適宜見直しを図ることも欠かせません。

 

在宅介護を続けるために必要な心のケア

在宅介護を続けるためには、介助者と要介護者どちらとも、心のケアが必要です。

心のケア方法を紹介します。

 

介助者に必要な心のケア

当然のことですが、介助者にも仕事や趣味があり、自分らしい生き方ができます。

しかし、介護に多くの時間やエネルギーを奪われてしまい、自分の感情を抑え込んでまで介護をしている方も少なくありません。

 

介助者が自分で心のケアをするためには、まず、自分を責め過ぎないという意識が必要です。

介護をしているとイライラや不安などのネガティブな感情が生じてしまいますが、これは自然なことです。

イライラしてしまう自分を責めず、ごく自然なこととして受け入れるように意識しましょう。

 

また、要介護者を大事にすることも大切ですが、介助者自身も大事にすべき存在です。

介助者が調子を崩してしまい、共倒れにならないよう注意しましょう。

しっかり睡眠をとって休むこと、自分の趣味を楽しむことは、悪いことではありません。

 

できるだけ自分だけで抱え込まないよう、家族と協力し合うこと、辛いと感じたらケアマネージャーや訪問看護師に相談することが大切です。

 

介護される要介護者の気持ちと心のケア

要介護者の心のケアをするためには、要介護者の心の動きを理解することが重要です。

一般的に要介護者は、身体能力の衰えにより次第にできなくなることが増えるため、悲しみや苛立ちを感じたり、意欲がなくなり塞ぎ込んでしまったりと情緒不安定になりやすいものです。

 

介護されることに対して罪悪感を抱くケースもあります。

心理的ストレスが大きくなり、孤立感を引き起こすことも少なくありません。

介助者は要介護者の気持ちに寄り添い、共感を示す姿勢が大切です。

 

要介護者に罪悪感を抱かせないようにするためにも、無理をせず必要な介護用品を使い、専門家のサポートを得て、介護負担を減らし、介助者の精神的な余裕を確保することが重要です。

 

介助者が犠牲になっているように見えてしまうと、お互いに精神的負担が増えてしまいます。

介助者が要介護者と共に過ごす時間に感謝して、介護を楽しむことができると介助者と要介護者双方の心が楽になります。

 

在宅介護の大変さと素晴らしさ

 

在宅介護は、家族が24時間365日体制で介護の対応をする必要があるなど、精神的・肉体的負担は大きいものです。

介助者は自分の仕事や趣味、感情を犠牲にして介護にあたらなければならないことが多く、在宅介護には苦労が伴います。

 

しかし、人生の最期は、思い出が詰まっていて愛着がある住み慣れた自宅で、家族に囲まれながら穏やかに迎えたいものです。

在宅で看取るのは大変なことですが、自宅で最期を迎えたいという要介護者の希望をかなえる ほど素晴らしいものはありません。

残る家族も、より一層、家族の絆を強くすることができます。

 

看取りまで在宅介護を続けるには準備と心のケアが大切

 

看取りまで在宅介護をすることは、要介護者の意思を尊重し、最期まで自分らしい時間を過ごせるようにすることです。

しかし、それは介助者である家族にとって大きな負担を伴う場合が多いでしょう。

 

そのため家族だけでなく、医師や訪問看護師、ケアマネージャーなどの専門家の協力を得て、自分たちだけで抱え込まないようにしてください。

 

介助者は、自分自身の体調や気持ちに気を配り、時には休息も必要です。

また、要介護者のためにも、感謝の気持ちを忘れず、要介護者ができることを見つけ、交流を欠かさないようにすることも必要です。

 

準備と心のケアを大切にして、在宅介護で看取りを行えるようにしてくださいね。